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会社から離職票が届かないのは違法? 対処方法や手続きの流れを解説

2020年07月21日
  • 労働問題全般
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会社から離職票が届かないのは違法? 対処方法や手続きの流れを解説

千葉県が発表した「平成30年毎月勤労統計調査地方調査年報」によると、平成30年の千葉県内における離職率は、事業所規模5人以上で2.20%、事業所規模30人以上で2.01%でした。

昨今の急激な社会情勢の変化により、どのような業種であっても解雇や退職は身近なものとなる可能性があります。退職時の手続きが滞ることや、会社から離職票が届かない事態に直面する方もいらっしゃるのではないでしょうか。

離職票は、雇用保険に関わる重要な書類です。適切な手続きがなされないと、次の職に就くまで、収入がない期間が予想以上に長くなってしまうケースもありえます。
この記事では、会社から離職届が届かなかった場合の対処方法や、離職理由に齟齬(そご)がある場合の手続きについて、ベリーベスト法律事務所 柏オフィスの弁護士が解説します。

1、離職票とは

離職票は、従業員が退職する際に、会社がハローワーク(公共職業安定所)に「離職証明書」を提出することで発行される書類です。
離職票の正式名称は「雇用保険被保険者離職票」といい、「雇用保険被保険者離職票1」と「雇用保険被保険者離職票2」に分かれています。

  1. (1)雇用保険被保険者離職票1

    雇用保険被保険者離職票1は、「雇用保険被保険者喪失確認通知書」とも呼ばれています。これは、労働者が会社を退職したこと、つまり雇用保険被保険者の資格を失ったことを証明する書類です。

    退職者の氏名、会社名、会社の事業内容、退職者の雇用保険被保険者番号、退職者の雇用保険資格取得年月日、退職年月日などが記載されています。

  2. (2)雇用保険被保険者離職票2

    雇用保険被保険者離職票2には、会社や退職者の基本情報に加えて、「離職日以前の賃金支払い状況等」と「退職理由」が記載されています。

    ハローワークは、失業給付の申請がなされたら、雇用保険被保険者離職票2の記載内容に基づいて労働者の失業保険受給の可否や給付額や日数を算出します。
    この記載内容が間違っていると大きな不利益を被ることがあるため、間違いがないかをしっかりと確認する必要があります。

  3. (3)離職票が必要な理由

    「離職票1・2」は、主に雇用保険の失業給付受給手続きにおいて必要です。
    一方、起業するケースや転職先が決まっているなど、失業給付を受けない場合には、離職票が必要な手続きがないため、離職票がなくても不都合は生じません。

2、離職票が発行されるまでの流れ

まずは、離職票が発行されるまでの流れを確認しておきましょう。

  1. (1)離職者が「離職票2」に記名押印する

    退職する前に、会社が用意した「離職票2」に離職者本人によって記名押印または自筆で署名することが原則です。
    この時点で「離職理由」に食い違いがないか、十分に確認しましょう。

  2. (2)会社がハローワークで手続きを行う

    会社は、従業員が退職日した翌日から10日以内に「雇用保険被保険者資格喪失届」と、退職理由などが記載された「離職証明書」をハローワークに提出します。

  3. (3)ハローワークが離職票を発行し、会社経由で本人に返送する

    ハローワークは内容に不備がなければ、「離職票1」を発行します。
    会社は離職票を受け取ったのち、退職者のもとへ送付します。会社の体制などにもよりますが、退職日から10日~半月程度で手元に届くのが一般的です。

3、会社から離職票が届かない時の対処方法

では、一向に離職票が届かない場合はどうしたらよいのでしょうか。

  1. (1)離職票の不交付は違法行為

    会社は、退職者から離職票の発行の請求があった場合は、遅滞なく離職票を交付する義務があります(雇用保険法 第76条3項)。

    正当な理由なく離職票の発行を拒否した場合は、「6か月以下の懲役または30万円以下の罰金」が科されます(雇用保険法第83条4号)。

  2. (2)まずは会社に確認を

    離職票が届かない場合は、まずは退職した会社の担当者に確認してみましょう。
    離職証明書に必要な給与計算が終わっていない、離職票の発行手続きを忘れていた、離職票が必要ないと勘違いしていた、といった可能性もあります。その場合は、再度離職票の発行を依頼すれば、対応してもらえるでしょう。

    また、離職・就職が集中する4月5月にかけては、ハローワークが繁忙期であるため、会社に離職票が届くまで時間がかかる可能性もあります。

  3. (3)ハローワークに相談する

    何度依頼しても離職票が発行されない、会社が故意的に発行してくれないといたケースの場合は、ハローワークに相談をしましょう。ハローワークから、会社へ督促をしてもらえます。
    ただし、ハローワークから会社に離職証明書の提出を求めることはできますが、ハローワークには罰則を適用する権限はありません。

  4. (4)労働基準監督署に相談する

    ハローワークからの要請も無視するようであれば、労働基準監督署に相談しましょう。
    労働基準監督署は、重大な法令違反が疑われる事業主に対して捜査、逮捕、告訴を行う権限があります。労働基準監督署から会社に指導が入ることで、対応が早まることが期待できます。

  5. (5)弁護士に相談する

    労働基準監督署に相談する事態となれば、弁護士に相談することも一案です。
    弁護士は、あなたに代わり会社との交渉を行うことができます。また、離職票を故意に発行しない会社は、他にも労働問題を抱えていることもあります。
    弁護士に相談することで、未払いの残業代などの労働問題に関しても、解決に向けたアドバイスを受けることができるでしょう。

4、「離職理由」が重要なのはなぜ?

離職理由は、一般的には「会社都合退職」「自己都合退職」といわれることが多いですが、具体的には次の6つに分類されます。

  • 事業所の倒産などによるもの
  • 定年
  • 労働契約期間満了など
  • 事業主からの働きかけ
  • 労働者の判断
  • その他


「離職理由」が重要になるのは、理由によって失業給付の開始時期と期間が大きく変わるためです。
具体的には、支給開始日については、次のような差が生じます。

【自己都合】
離職票提出日から7日間の待機期間と3か月の給付制限期間を経過した後

【会社都合】
離職票提出日から7日間の待機後


給付期間については、雇用保険の加入期間や離職時の年齢によっても異なりますが、自己都合退職の場合は最大で150日間なのに対し、会社都合退職の場合は、最長で330日間にわたり給付を受けることができます。

実際に自己都合で退職したケースであれば、再就職のめどがたっていることも少なくないでしょう。しかし、会社都合退職にもかかわらず、自己都合退職とされてしまえば、その後の生活が立ち行かなくなることも考えられます。
では、離職理由に納得できない場合は、どのような対応がとれるのでしょうか。次の章で詳しく見ていきましょう。

5、離職票の離職理由に納得がいかない場合の対処法

  1. (1)離職理由の訂正要求

    もしも、離職票の内容に異議がある場合は、会社に訂正を要求しましょう。会社が間違いを認め、対応してもらえる場合は、会社からハローワークに「雇用保険被保険者離職票記載内容補正願」が提出され、再発行を待つこととなります。

  2. (2)ハローワークに異議申し立てを行う

    会社が訂正に同意せず、修正に応じない場合は、ハローワークに「異議申し立て」行います。

    ハローワークは会社に対して聴取を行い、双方の主張を吟味した上で、ハローワーク所長もしくは地方運輸局長が離職理由を判断します。そのため、異議申し立てを行う際は、会社都合退職であることの証拠を用意しておくことが重要です。

    証拠提出にあたって、どのようなものが証拠になるのか判断するのは難しいでしょう。その場合は、弁護士に相談することも一案です。

    弁護士であれば、どのようなものが有効な証拠になるか、また証拠の収集方法についてもアドバイスが可能です。
    また、自己都合退職の場合であっても、介護や配偶者の転勤など、やむを得ない事情による場合、退職雇用保険法上の「特定理由離職者」に該当する場合があります。その場合は、解雇などによる特定受給資格者と同様の条件で失業保険を受給することができます。

    弁護士は、これらの事情を勘案し、最適な手続きや方法についてアドバイスすることができます。

6、まとめ

会社は離職した労働者の請求があれば、離職票を発行する義務があります。
故意的に発行しない場合は罰則があるにもかかわらず、離職票の発行について極めてずさんな会社も存在します。このような会社は、退職者の請求に対しても真摯(しんし)に対応しないことが多いものです。

離職票が届かないことでお困りの方は、ベリーベスト法律事務所 柏オフィスの弁護士にご相談ください。状況を丁寧にヒアリングした上で、最適な解決案をアドバイスします。また、弁護士はあなたの代理人として会社と交渉することも可能です。新しい生活を一日でも早くスタートできるように、全力でサポートします。

  • この記事は公開日時点の法律をもとに執筆しています

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