飲酒運転の罰則は? 逮捕されたらどうなる? 柏オフィスの弁護士が解説
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千葉県警察本部の発表によると、千葉県内で令和元年(平成31年)に発生した交通事故は16476件で、うち柏市内で発生した交通事故は1158件に上ります。
さらに死亡事故のデータを見てみると、令和元年の千葉県内の交通事故死者数は172人で、全国ワースト1位となってしまいました。そのうち、四輪・二輪が第1当事者(もっとも過失が重い者)の事故148件中13件が、飲酒運転だったそうです。
このように、飲酒運転は死亡事故の原因ともなりうる非常に危険な行為です。
飲酒運転と聞くと、飲酒の直後に運転するイメージが強いかもしれませんが、たとえ飲み終えてから時間が経過していても、アルコールが体内に残っていれば飲酒運転になります。
この記事では、飲酒運転や、飲酒運転で事故を起こしてしまった場合の罰則や逮捕の可能性、逮捕後の流れについて、柏オフィスの弁護士が解説します。
1、飲酒運転とは
お酒を一度でも飲んだことがあればおわかりかと思いますが、アルコールには脳の働きを麻痺させる作用があります。お酒に酔うと気が大きくなったり足元がふらついたりなど、安全運転に必要な注意力や判断力、情報処理能力、平衡感覚、視力などが低下します。
その結果、スピードを出し過ぎたり、車間距離を見誤ったり、危険察知が遅れてブレーキが間に合わなくなるなど、事故の危険性が高まるため大変危険です。
そのため、飲酒運転には厳しい罰則が設けられています。
飲酒運転とは、アルコールを含む飲料を摂取した後、体内にアルコールを保有した状態で運転することですが、具体的には「酒酔い運転」と「酒気帯び運転」に分けられます。
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(1)酒酔い運転
酒酔い運転とは、まっすぐ歩けないなど、酔った状態で運転することです。
アルコールが心身に与える影響は個人差が大きいものです。
そのため、たとえ呼気に含まれるアルコールが微量であったとしても、判断力が低下したり、身体能力が低下していたりする様子が見受けられた場合には、「酒酔い運転」の対象となるおそれがあります。 -
(2)酒気帯び運転
酒気帯び運転は、呼気1リットルあたり0.15mg以上が検出された状態を言います。
公益社団法人 アルコール健康医学協会が公表しているデータによると、体重60kgの人の場合、ビール中びん(アルコール度数5度)を30分以内に飲んだ場合、体外に排出されるまで3~4時間かかるとされています。
ただし、アルコールの代謝にかかる時間は、性別や体格・体質による個人差があるため、一晩寝たとしても、体内にアルコールが残っているケースも少なくありません。
2、罰則について
平成19年の道路交通法改正や、平成26年施行の「自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律」(略称:自動車運転死傷処罰法)により、悪質・危険な運転者や飲酒運転、飲酒運転を隠そうとする行為に対しては、厳しい罰則が科さられます。
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(1)道路交通法の罰則
飲酒運転に関する罰則は、酒酔いか、酒気帯びかで異なります。
●酒酔い運転の場合(道路交通法 第117条の2第1号)
5年以下の懲役または100万円以下の罰金
●酒気帯び運転の場合(道路交通法 第117条の2の2第3号)
3年以下の懲役または50万円以下の罰金 -
(2)自動車運転死傷処罰法の罰則
飲酒運転で人身事故を起こした場合は、「自動車運転死傷処罰法」で裁かれることとなります。
●危険運転致死傷罪(第2条第1号)
アルコールまたは薬物の影響により、正常な運転が困難な状態で自動車を走行させた場合は、次の刑罰が科せられます。
負傷させた場合:15年以下の懲役
死亡させた場合:1年以上20年以下の懲役(有期懲役)
●過失運転致死傷アルコール等影響発覚免脱罪(第4条)
飲酒運転をして人を死傷させたにもかかわらず、飲酒運転であることを発覚させない目的で、さらにアルコールを摂取する行為や、その場から離れて体内のアルコール濃度を減少させる行為等をした場合、12年以下の懲役が科せられます。 -
(3)行政処分
飲酒運転をすると刑事罰以外にも、行政処分を受けることになります。
●酒酔い運転の場合
点数35点・免許取り消しで欠格期間は3年
●酒気帯び運転の場合
呼気中のアルコール濃度が0.15mg以上0.25mg未満の場合
⇒点数13点で90日間の免許停止
呼気中のアルコール濃度がアルコール0.25mg以上の場合
⇒点数25点・免許取り消しで欠格期間は2年
3、逮捕される可能性はある?
飲酒運転で人身事故を起こすと多くの場合は逮捕されますが、事故を起こしていなくても逮捕される可能性があります。
たとえば、警察のアルコール検査を拒否したり、その場から逃げたりしようとすると、飲酒運転の発覚を免れるための証拠隠滅や逃走のおそれがあるとして、逮捕される可能性が高まります。また、以前、飲酒運転で逮捕されたなどの前科、前歴がある場合も逮捕される可能性は高まるでしょう。
4、逮捕後の流れについて
飲酒運転で逮捕された場合も、一般的な刑事事件と流れは変わりません。取り調べを受けた後、起訴されれば刑事裁判にかけられます。
では、具体的な流れを確認していきましょう。
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(1)警察による取り調べ
逮捕されると被疑者と呼ばれ、警察署にて事実関係を確認するなどの取り調べが行われます。警察は、逮捕後48時間以内に検察に送致しなければなりません。この間は原則として家族でも面会はできません。
ただし、弁護士であれば、いつでも被疑者と面会(接見)することができます。
取り調べの対応について相談したり、家族や勤務先との連絡を依頼したりすることができるでしょう。 -
(2)検察へ送致
警察での取り調べの後、事件は検察へ送致(送検)されます。
検察官は警察から受け取った情報と追加捜査などにより、被疑者の行為がどのような罪状にあたるか、勾留が必要か等を判断します。勾留が必要と判断した場合、送検から24時間以内(かつ逮捕後72時間以内)に、裁判官に勾留請求を行います。
なお、この時点で身柄は釈放し、捜査書類のみを検察に送致する「在宅事件扱い」となるケースもあります。報道などでは「書類送検」とも呼ばれます。この場合、送検するまでの時間は48時間以内に限定されません。 -
(3)勾留
勾留とは、取り調べのために身柄拘束を続けることです。裁判所が勾留を認めると、原則10日、最長で20日間もの間、身柄拘束が続くことなり自宅に帰ることはできません。
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(4)起訴・不起訴の判断と裁判
検察官は、取り調べの結果から、被疑者を起訴するか不起訴とするか決定します。
不起訴処分となれば釈放され事件は終了です。
起訴された場合は刑事裁判に移ります。検察官が起訴するときは、確固たる証拠があるケースが多く、現在の日本の司法では99.9%の確率で有罪判決が下されるとも言われています。
刑事裁判の結果、有罪になると「前科」がついてしまいます。
したがって、検察官が処分を下す段階で、不起訴を獲得することが非常に重要になります。
5、被害者がいる場合は示談成立が重要
飲酒運転で交通事故を起こし、被害者を出してしまった場合は、早急に示談交渉を進めることが大切です。
示談とは、謝罪と被害を賠償する取り決めによって、当事者同士で事件を解決する手段です。示談が成立し、被害者からの宥恕がある場合には、被害者に処罰感情がないとみなされるため、逮捕の回避や、不起訴の獲得、減刑などが期待できます。
ただし、被害者は加害者側からの連絡を拒むことも少なくありません。また、被害者の保険会社や弁護士と交渉する可能性もあるでしょう。そのため、交通事故における示談交渉は、弁護士に依頼することをおすすめします。
また、逮捕されてしまった場合、弁護士がついていれば、取り調べのアドバイスがもらえるほか、捜査機関へ働きかけなどを行い、不起訴や減刑を目指すことができます。
6、まとめ
飲酒運転で逮捕されてしまうと、自分だけでなく家族や周囲の人たちの人生にも、大きな影響を及ぼす可能性があります。また、死傷事故を起こしてしまえば、長期の懲役が科されるおそれもあるでしょう。
残念ながら、時間は元に戻せません。だからこそ、起きてしまった事実に対して適切な対処をとることが重要になります。
飲酒運転をして事故を起こしまった場合や、ご家族が事故を起こしてしまった場合は、ベリーベスト法律事務所 柏オフィスまでご連絡ください。柏オフィスの弁護士が、迅速に対応します。まずは、ご連絡ください。
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