離婚問題を弁護士に相談したい! 事前に準備しておくべきことはある?
- 離婚
- 離婚
- 弁護士
- 相談
- 準備
千葉県が発表した「平成30年人口動態統計の概況(確定数)」によると、平成30年の千葉県の離婚件数は10250件です。平成29年の10360件から110組減少したものの、51分17秒ごとに1組が離婚していることになるそうです。
離婚を考えたとき、親権はどうするのか、慰謝料はもらえるのか、財産分与や相続、年金はどうなるのかなど、考えなければいけないことは多岐にわたります。
お金や法律が複雑にからみあうため、弁護士に相談したいと思う方も少なくないことでしょう。一方で、「弁護士への相談は敷居が高い」「高い料金を請求されるのではないか」と心配になるかもしれません。
そこで今回は、弁護士に相談するにはどうすればいいのか、弁護士に相談する前にどのような準備をしておけば良いのかを、ベリーベスト 柏オフィスの弁護士が解説します。
1、弁護士に相談できる場所とは
離婚にまつわる問題は、多くの場合お金と法律が複雑にからんでいます。
将来に禍根を残すことなく離婚を成立させるためには、弁護士のアドバイスを得ることは非常に有効です。まずは弁護士に相談できる場所について紹介します。
-
(1)法テラス
全都道府県に設置されている「法テラス」は、国民が広く法的知識のサービスを受けられるよう、政府によって設立されました。
法テラスでは、法テラスと契約した弁護士が対応し、民事・家事・行政に関する無料相談が受けられます。離婚問題は家事事件にあたります。無料相談は原則として1回30分程度、ひとつの問題につき3回までです。
ただし、無料相談を受けられる対象者は、所得制限があります。 -
(2)自治体の法律相談
多くの自治体で、弁護士による無料法律相談を実施しています。
お住まいの都道府県や市区町村役所の窓口やホームページで、法律相談の日程を探してみましょう。 -
(3)法律事務所
もちろん、法律事務所へ直接問い合わせをすることも可能です。
法律事務所は敷居が高いと感じる方が少なくないようですが、初回は無料で相談を受ける事務所も増えています。ホームページなどで、詳しい情報を掲載しているケースが多いので、調べてみると良いでしょう。
ベリーベスト法律事務所でも、ご相談内容によっては初回無料でご相談を受け付けています。ぜひ、ご利用ください。
2、離婚相談の前に準備しておくべきこと
通常、弁護士への無料相談の時間は、30分~1時間ほどの時間制限が設けられています。
短い時間を最大限に活用するために、離婚問題を相談する際は以下の項目を事前にまとめておくと良いでしょう。
逆にいえば、ポイントをまとめておかないと、状況を話そうとするだけであっという間に時間が過ぎてしまいます。
-
(1)離婚の理由を明確にしておく
まず、なぜ配偶者と離婚したいのかを明確に伝えられるようにしましょう。
浮気や不倫、性格の不一致、病気、暴力を受けている、経済的な自由を奪われているなど、理由によって取るべき行動も変わります。
離婚の交渉や裁判をすすめていく上で、離婚の理由は交渉の材料になるだけではなく、裁判の判決に影響する重要事項となります。 -
(2)夫婦の財産状況を調べておく
夫婦それぞれの収入状況や財産状況を、できるかぎり明らかにしておきましょう。
離婚時は、夫婦で共に築いてきた財産を清算する財産分与を行います。そして、財産分与では、夫婦それぞれ借金を含む全財産を把握する必要があります。預貯金や保険金、不動産や自動車といったプラスの財産に加えて、ローンなどのマイナスの財産についてもすべて書き出しておきましょう。
わからない場合は、調べ方などを相談することもできます。 -
(3)証拠をまとめておく
配偶者の浮気やDVが離婚原因である場合は、客観的にその事実を示す証拠が非常に重要です。
証拠があれば、どのような形で離婚をすすめていくか、離婚が認められる可能性があるかといった、具体的な相談をすることが可能です。
参考までですが、次のようなものが証拠となり得ます。
●メールやSNSの履歴
配偶者以外との性行為を確認または推認できるメールの内容は、証拠になり得ます。
LINEやtwitterなどのSNSでもメールと同様です。
ただし、メールで配偶者が異性と連絡を取っているだけでは、不貞行為があったことの証明にはなりません。
●写真やビデオ
配偶者と第三者が、ラブホテルなどに一緒に出入りする写真、ベッドの上で服を着ていないふたりの写真やビデオなど、性行為を確認ないし臆測できる内容であれば、証拠になり得る可能性があります。
●音声データ
日常的に暴言を吐かれる場合や、不貞行為について夫婦間で話し合った場合などは、スマホのボイスレコーダー機能やICレコーダーなどに録音をしておきましょう。
●その他の証拠
その他、証拠となり得るものには、次のようなものあります。- 不貞行為を証明する手紙など
- 友人や関係者などの第三者の証言
- 不貞行為の相手と宿泊したホテルの領収書やクレジットカードの明細
なお、証拠が手元にない場合や、どのように証拠を集めれば良いのかわからない場合は、弁護士に相談すれば、集め方についてアドバイスを得ることができます。
証拠がないからと諦めず、まずは相談してみてください。
3、相談内容に優先順位をつける
弁護士へ相談するにあたっては、離婚に際し決めておきたい点や相手に請求したいことなどを、あらかじめ整理しておきましょう。優先順位をはっきりさせておくことで、限られた時間内でも有効なアドバイスを得ることが期待できます。
-
(1)慰謝料
慰謝料は、不貞行為やDVなどによって受けた精神的苦痛に対する損害賠償として請求することができます。離婚原因が配偶者にある場合は、慰謝料請求をするのか、ご自身のケースで慰謝料請求ができるのか、慰謝料請求の金額はいくらが妥当なのか、といった点を相談すると良いでしょう。
慰謝料請求を行う場合は、どのような証拠が必要なのかも、あわせて確認しましょう。 -
(2)親権
子どもがいる場合は、離婚時に夫婦どちらかを親権者に決める必要があります。親権を望むかどうかを明確にしておきましょう。
任意の交渉や調停においても双方ともに親権を希望し譲らなかった場合、裁判で親権者を決めることになります。子どもの年齢にもよりますが、裁判官に親権を認めてもらうためには、子どもの監護にどれくらい関わっているかも大きな判断材料となります。 -
(3)養育費
養育費は、基本的には家庭裁判所が公開している「養育費算定表」がひとつの目安となります。弁護士に具体的な収入や状況を示せば、より精度の高い見通しを得ることができるでしょう。
-
(4)別居・婚姻費用
離婚の前に別居したい、またはすでに別居中である場合も、弁護士の助言が必要となるでしょう。夫婦どちらが子どもと同居しているかは、離婚時の親権の判断において非常に重要視されます。別居に踏み切る際は、その点も十分考慮しましょう。
また別居中の生活費は、離婚が成立するまでお互いに分担する義務があります。配偶者に生活費を請求する場合は、「婚姻費用請求」の手続きについても弁護士に相談すると良いでしょう。 -
(5)離婚協議書・公正証書
弁護士は契約書のプロフェッショナルです。
離婚条件をまとめた離婚協議書の作成は、特に弁護士に相談すべき内容といえるでしょう。あわせて、強制執行認諾付きの公正証書にする際の手続きや、契約内容の不履行時に取るべき手続きについても確認しておくと安心です。
4、弁護士以外に相談するほうが適している場合もある
これまでご説明したように、離婚に際しては、弁護士がアドバイスをできることは多岐にわたります。ただし、弁護士は法にまつわる相談しか対応することができません。離婚についての困り事の内容によっては、弁護士以外に相談するほうが良いケースもあります。
たとえば、「離婚すべきかどうか迷っている」「夫婦関係の悩みを聞いてほしい」などの場合は、法的なアドバイスよりも、心のケアを専門としているカウンセリングが適している場合もあります。また、DVなどによって生命の危険を感じているようなケースでは、まずは自身を守ることが先決です。警察やサポートセンターへ、すぐに助けを求めてください。
柏市はホームページ上に、相談窓口の一覧を掲載しています。電話や対面での相談だけではなく、インターネットやSNSで相談できる窓口もあるので、活用すると良いでしょう。
5、まとめ
離婚問題について弁護士に相談しようと考えていても、何を話せばいいのかわからない、弁護士に怒られるかも、高額な料金が発生するのでは……などの不安で二の足を踏む方もいらっしゃるかもしれません。
まず、相談にあたっては、ここまで紹介したポイントを押さえておけば、弁護士との相談は短時間でも有意義なものとなるでしょう。また、ホームページなどで料金体系が明確にされている事務所を選ぶと安心です。料金について不安を感じる場合は、無料相談時に遠慮せずご相談ください。
トラブルが深刻化してからご相談いただくと、結果的に解決までに時間もお金もかかってしまうことが少なくありません。弁護士への相談は敷居が高いと感じるかもしれませんが、無料相談などをご活用いただき、ぜひ早い段階でご相談ください。
離婚問題についてお悩みは、ベリーベスト法律事務所 柏オフィスの弁護士にお任せください。離婚問題の解決実績が豊富な弁護士が、丁寧にお話を伺ったうえで、離婚成立まで親身になってサポートします。
ひとりで悩まず、まずはご相談ください。
- この記事は公開日時点の法律をもとに執筆しています