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妻の使い込みで離婚! 財産分与や慰謝料など注意するべきポイント

2021年06月10日
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妻の使い込みで離婚! 財産分与や慰謝料など注意するべきポイント

千葉県柏市において、離婚するご夫婦の数は決して少なくありません。
柏市が公表している人口動態に関するデータによると、令和元年(平成31年)における離婚件数は700件で、人口1000人に対する離婚率は1.7%です。およそ1日に2組程度の夫婦が離婚していることとなり、離婚は決して人ごとではないといえるでしょう。

離婚原因は状況によってさまざまですが、妻の財産の使い込みが問題になるケースも多々あります。たとえば、夫の婚前資産や生活費、家族の貯金を使い込むだけではなく、子どもの保険などを解約してしまうケースもあります。ブランド品や服飾品の購入、交友費用などが家計を圧迫する事態になってしまい妻が改善に応じないのであれば、離婚を考えなければいけなくなるでしょう。

本コラムでは、妻が財産を使い込みしていることを理由に離婚をする場合、注意するべきポイントについて、柏オフィスの弁護士が解説します。

1、妻の使い込みで離婚する場合に財産分与はどうなる?

妻が夫婦のお金や夫の独身時代の貯金を使い込んだことが理由となり離婚をする場合、財産分与はどのように計算されるのでしょうか?

  1. (1)基本的な財産分与の考え方

    財産分与は、「夫婦共有財産」を清算することです。
    夫婦共有財産とは、婚姻中に夫婦が協力して築いた財産をいいます。夫婦どちらの名義であるかは問題になりません。民法第762条2項で「夫婦のいずれに属するか明らかでない財産は共有と推定する」と規定しているように、夫名義でも妻名義でも、婚姻中に形成したものであれば基本的に共有財産に該当すると考えましょう。

    具体的には、婚姻後に取得した次のような財産は、多くの場合、共有財産として扱われると考えられます。

    • 現金・預貯金
    • 株式や債券、投資信託
    • 仮想通貨
    • 不動産
    • 積立金
    • 貴金属、時計などの動産


    一方、次のような財産は「特有財産」として扱われます。特有財産は、夫婦の共有財産ではありませんので、基本的には財産分与の対象ではありません

    • 結婚前に取得していた財産
    • 遺贈や相続、贈与などによって受け継いだ財産
  2. (2)財産分与の割合

    財産分与の割合は、基本的に「2分の1ずつ」と考えられています。
    妻が専業主婦であっても、財産分与割合は減らされません。妻が家をきちんと守っていたことによって、夫が外で働いて収入を得られたと考えられるからです。
    そのため、一般的なケースでは、妻が専業主婦であったり夫婦で収入格差があったりしても、財産分与割合は2分の1ずつになると考えましょう。

  3. (3)妻に財産を使い込まれた場合の清算方法

    妻が夫婦や家族のお金を使い込んでいた場合であっても、それを理由に当然に財産分与の割合が変わるわけではなく、あくまでも原則としては財産を2分の1ずつに分けることになります。もっとも、お金の使い込みを財産分与で考慮する余地がないとすると、使い込んだ配偶者の使い得が認められることになり、使われた配偶者が一方的に不利益を受けてしまいます。そのため、このようなケースで、例外的に2分の1以外の割合にできる可能性を検討します。

    夫婦の一方が共有財産を使い込んだ場合の対処方法は、いくつか考えられます。

    ● 浪費で使い込まれた財産の持ち戻しを行う
    まず、財産分与の計算をする際に、浪費によって減少した財産を持ち戻す方法が考えられます。すなわち、財産分与の際にはすでになくなってしまっている財産であっても、不当な浪費がなければ残っていたはずの財産であるとして、その分は残っているものとして扱うということです。そのうえで、持ち戻した分の額は浪費した者に分与したものとして扱います。
    この説明だけではわかりにくいので、具体例を挙げます。
    『財産分与の際に残っていた夫婦の共有財産は300万円だったものの、それまでに妻が200万円を浪費によって減少させていた』という事案で考えます。
    この場合、原則どおり考えれば、財産分与の対象財産は300万円ということになるため、夫が妻に分与する額はその2分の1である150万円となります。
    一方、浪費によって減少した200万円を持ち戻す計算を行うと、財産分与の対象となる財産は300万円+200万円=500万円となります。
    すると、妻への分与額はその2分の1である250万円になります。
    そして、持ち戻した200万円はすでに妻へ分与したものとすると、妻への分与額は、250万円-200万円=50万円となります。
    このように計算すると、通常であれば150万円を分与すべきところが、財産の持ち戻し計算を行うことで、浪費した妻への分与は50万円で足りることになります。
    このような方法を用いることで、浪費を財産分与において考慮することが考えられます。

    ● 妻の財産分与の割合を減らす
    次に、妻の財産分与の割合を変更して調整する方法を検討しましょう。
    たとえば妻が多額の預貯金を使い込み豪遊していた場合などには、妻に対する財産分与割合を5割以下にできる可能性があります。

2、使い込みによる慰謝料請求は可能なのか

妻が家族の財産を使い込み、浪費したことが原因で離婚に至った場合、夫としては精神的苦痛を受けたと感じるでしょう。この場合、離婚時に慰謝料請求はできるのでしょうか。

  1. (1)慰謝料請求が認められる可能性は低い

    結論的に、慰謝料が認められるケースは少数と考えられます。お金を使い込まれた場合は、財産分与や返還請求によって取り戻すべきであり、慰謝料が発生するほどの精神的苦痛は発生していないと考えられるためです。

  2. (2)慰謝料を請求できるケースとは?

    ただし、妻が夫婦の財産を使い込んだケースでも、以下のような事情があれば慰謝料を請求できる可能性があります。

    ● 不倫(不貞行為)をしていた
    妻が不倫(不貞行為)をしていた場合は、不貞行為についての慰謝料を妻に請求することが可能です。たとえば、妻が不倫相手にのめり込んでプレゼントやデート代などのために預金や保険解約金などを使い込んでいたなどのケースが考えられます。
    ただし、不倫による慰謝料を請求するには、「相手と肉体関係があったこと」を示す証拠が必要です。

    ● 生活費を使い込んだために生活が困窮した
    妻が生活費を浪費やギャンブルにつぎ込んだことが原因で、生活が困窮し婚姻関係を継続することが難しくなった場合には、婚姻関係の破綻の原因がもっぱら妻にあると評価される可能性があります。このような場合は、慰謝料を請求できる可能性があるでしょう。
    もっとも、通常、婚姻関係の破綻はさまざまな要因が重なって生じるものと考えられますので、婚姻関係の破綻の原因がもっぱら妻の浪費のみにあると評価されることは容易ではありません。そのため、浪費のみを理由に慰謝料請求をすることは実際には難しいことが多いです。

3、妻の借金は夫に支払い義務はある?

妻が財産を使い込むだけではなく借金までしていた場合、夫に返済義務は及ぶのでしょうか?

  1. (1)妻名義の借金は返済しなくてよい

    まず、妻名義の借金については、基本的に夫に返済義務は及ばないと考えられます。たとえば、妻名義のクレジットカードやカードローンで借金をしていた場合は、夫が支払う必要はありません。

    ただし、妻名義の借金であっても夫に返済義務が及ぶケースがあります。それは「日常家事債務」に該当する場合です。
    日常家事債務とは、日常生活において発生する債務を指し、日々の買い物や水道光熱費、携帯電話代などが該当すると考えるとよいでしょう。妻が、これらの支払いを滞留している場合や、支払いのために借り入れをしていた場合は、夫にも責任が及ぶ可能性があります。

    また、夫が妻名義の借金について保証人になった場合には、夫にも返済義務が及びます。保証人や連帯保証人は主債務者が返済をしないときに、代わりに返済をしなければなりません。
    たとえば住宅ローンを組んだときや妻が貸金業者から借金するときに、夫が保証人として署名押印していれば、たとえ離婚をしたとしても返済をしなければならない可能性があります。

  2. (2)夫名義の借金だった場合

    借金の名義が夫だった場合は、状況はさらに深刻です。
    妻が婚姻中に、夫名義のクレジットカードで勝手に使ってキャッシングするケースもあり得ます。この場合、外見上、借金をしたのは夫とみなされてしまいます。自分は借金していないと説明しても、カード会社は簡単には納得しないでしょう。カード会社から返済を請求された場合は、夫が払わざるを得なくなる可能性があります。
    また、妻に家族カードを渡しており、そのカードを使ってキャッシングされた場合も、基本的に夫が支払いを免れるのは難しいと考えられます。

    このように、夫名義のカードや家族カードで借金をされた場合、夫にも責任が及ぶおそれがあります。ただし、妻へ返済を求めることは可能です。使われた分を返済してもらい自身の返済の負担を減らすことを考える必要があります。

  3. (3)借金を抱えている妻と離婚する場合の注意点

    妻が夫名義で借金をして浪費していた場合、返還約束は基本的に「離婚時」に行っておきましょう。そのため、浪費グセのある妻と離婚するときには、自身の名義での借金がないか、クレジットカードの情報などをしっかりと確認することが大切です。

4、離婚時におさえておくべき2つのポイント

妻が財産を使い込んだことが原因となり離婚を検討する場合、どのような点をおさえておくべきなのでしょうか。

  1. (1)使い込みの立証

    離婚に際し、妻に対する財産分与額や割合を減らすには、使い込みを「立証」しなければなりません。そのためには、物理的な証拠が必要です。いくら、妻が使い込んだと主張しても証拠がなければ、財産分与額を調整することは難しくなります。
    どのような資料が使い込みを立証するために必要なのかについては、弁護士のアドバイスを受けるのが得策です。

  2. (2)執行認諾付き公正証書を作成する

    妻が財産を使い込んだ場合、夫婦間の合意によって離婚後に返還させるケースもあるかもしれません。
    ただし、金銭に関してルーズな妻の場合、離婚後にきちんと返済の約束を守ってくれない可能性も懸念されます。そこで、取り決めた内容は「執行認諾付き公正証書」で作成しておくことをおすすめします。執行認諾付き公正証書があれば、妻が約束とおりに返済しなかったときには、給料等を差し押さえるといった対応も可能です。

5、まとめ

浪費癖のある妻と離婚をするときは、財産分与の割合や借金の有無など、金銭に関する問題が重くのしかかることが予想されます。自己判断で話し合いを進めてしまうと、不必要に高額な財産を支払うことになるリスクもあるので注意が必要です。
離婚に際し金銭問題を抱えている場合は、話し合いの段階から、弁護士に相談することをおすすめします。使い込みをどのように立証するのか、財産分与にどのように反映させるのか、といった点についても的確なアドバイスが受けられます。

ベリーベスト法律事務所 柏オフィスには、離婚問題の対応実績が豊富な弁護士が在籍しているので、安心してご相談ください。離婚成立に向けて何をするべきか、どのような準備をすすめていくべきなのか、といった基本的なところから、調停や裁判に発展した場合の対応まで、二人三脚でサポートします。
お悩みの場合は、まずはご相談ください。

  • この記事は公開日時点の法律をもとに執筆しています

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