モラハラ配偶者と離婚するために! 弁護士事務所を選ぶポイントとは

2018年11月28日
  • 離婚
  • モラハラ
  • 離婚
  • 弁護士
モラハラ配偶者と離婚するために! 弁護士事務所を選ぶポイントとは

千葉県柏市が発表している統計資料によると、平成17年から26年10年間で平均すると、市内だけで毎年約700組の夫婦が離婚しています。離婚の理由はそれぞれ異なるものですが、平成28年度の司法統計(全国)によれば、調停申し立て動機を「精神的な虐待」、つまりモラハラ(モラルハラスメント)を選択する方が増えているようです。夫が申し立てたケースで2位、妻からの申し立てで3位にランクインしています。

モラハラをはじめとしたDVは、柏市でも男女共同参画センターなど複数の窓口を設けて相談を受け付けていることから、社会問題のひとつとして浸透しつつあります。とはいえ、「配偶者からのモラハラに耐えられずに離婚したい!」と思っても、自分ひとりで離婚を成立させるのは難しいだろう……と感じていませんか?

中には、周囲から、モラハラを受けるのは自分のせいだと思い込まされていたり、子どもがいると「自分が耐えればよいのだ」と思ってしまったりする方もいるようです。また、いざ弁護士へ相談しようと思っても、どのように弁護士を選べばよいか分からない方や、夫にバレたらもっと大変なことになるのでは……と考える方もいるのではないでしょうか。

そこで、今回はモラハラ配偶者と離婚する方法や弁護士事務所を選ぶコツを、千葉県柏市の弁護士が解説します。

1、モラハラの定義と離婚できるケース

離婚そのものは、あなたと配偶者、双方が同意していれば、いつでもできるものです。

しかし、あなたが離婚したくても、配偶者が承諾しない場合は、調停を経て、最終的には裁判所などで争うことになります。そのためにも、離婚したい理由を明確にして、「法定離婚事由」に該当するかどうかを確認しておく必要があります。

「自分が受けているのはモラハラだと思っていたけれど、実は違った……」ということもあるかもしれません。まずはあなたが受けている行為が、モラハラに当たるのかを確認してみましょう。

  1. (1)モラハラ(モラルハラスメント)とは

    モラルは「道徳」を指し、ハラスメントは「嫌がらせ」を指す言葉です。つまり、殴る蹴るの身体的な暴力はふるわなくても、精神的に傷つける言動をすること自体が「モラハラ」、つまりは「精神的な虐待」であるといえるでしょう。

    たとえば、以下のような仕打ちを配偶者から受けていれば、モラハラに該当する可能性が高いと考えられます。

    • あなた自身や、あなた個人の親族や友人の人格を一方的に否定する
    • ことあるごとにあなたを見下す
    • 長期間、あなたを無視する
    • 物にあたってあなたを威嚇(いかく)する
    • 日常に必要なお金を渡さないなど、あなたを金銭的に困らせる
    • あなたの立場が悪くなるようなウソを周囲に言いふらす

    なお、暴力を振るわれている場合はモラハラではなくDV(ドメスティックバイオレンス)にあたります。

  2. (2)モラハラを理由に離婚できるケース

    モラハラを受けていることが明確であれば、「配偶者が離婚を承諾しなくても離婚できるのか?」といえば、そうではありません。 離婚には、大きく分けて以下の3つの種類があります。

    • 協議離婚
    • 調停離婚(審判離婚)
    • 裁判離婚

    話し合いによって「協議離婚」が成立できなければ、調停を行い、調停離婚に至らなければ、裁判を申し立てることとなります。しかし、裁判で離婚が認められるためには法律で定められた離婚事由が必要です。

    しかし、ひとくちにモラハラといっても、実際の行為や状況は個々によって異なります。つまり、裁判などで争うケースになるときは、前述のとおり、裁判官など第三者が見ても「夫婦生活を続けることが難しい」と判断できるレベルでなければ、離婚を成立させることは難しいと考えておいたほうがよいでしょう。

    なお、一方的な離婚が認められると民法770条1項で定められた、「法定離婚事由」には、以下の5つの項目があります。

    • 不貞行為
    • 悪意の遺棄
    • 3年以上の生死不明
    • 強度の精神病にかかり、回復の見込みがない
    • その他婚姻を継続しがたい重大な事由

    たとえば、「配偶者を困らせるため、もしくは自由な行動を制限するために生活費を渡さない」といった夫の金銭的なモラハラ行為は、「悪意の遺棄」にあたるといえます。このときは夫が有責配偶者となり、妻の申し立てによって離婚が可能です。また、もし妻が夫への嫌がらせのために性行為を伴う不倫をしたときは、妻が「不貞行為」の有責配偶者となるため、夫から離婚を希望すれば認められます。

    とはいえ、モラハラの場合は、言葉による虐待が中心となるケースが多く、これらの具体的な行為がないケースが多いものです。そこで、実際のところは「その他婚姻を継続しがたい重大な事由」に当てはまるかどうかが、離婚できるかどうかのポイントとなるでしょう。

    「婚姻を継続しがたい重大な事由」に当てはまるかは、「該当のモラハラ行為があるため夫婦生活が破たんした」と考えられるかどうかで判断されます。

2、離婚調停を申し立てる前にすべきこと

モラハラをする配偶者へ離婚を切り出すことは容易ではないでしょう。おそらく、あなたと配偶者がまともな話し合いができるような状況であれば、あなた自身離婚までは考えないだろうと想定できます。周囲に相談しても、身近な人であればあるほど、信じてもらえないこともあるかもしれません。

本来なら話し合いによる離婚がベストですが、話し合いが難しい場合は調停を申し込むことになるでしょう。

ただし、モラハラをする人物には以下のような特徴があるケースが多いものです。

  • ひどい行為をする対象は配偶者のみで、ほかの人からはいい人だと思われている
  • 自らより目上の方や、立場が上の方には逆らわない
  • 冗舌で交渉がうまい

離婚調停であなたと配偶者の仲介を担うことになる「調停委員」は、40歳以上70歳未満の、いわゆる「地元の有志」と呼ばれる方が各分野から選ばれています。あなたの身近な知人ですら信じてもらえない可能性が高い配偶者のモラハラ行為を、調停委員に理解してもらおうとしてもあなたの言い分が届かないケースもあるでしょう。

そこで有効なのが、配偶者からひどいモラハラを受けていたことを証明する証拠です。具体的には、以下のようなものがモラハラの証拠となります。

  • 配偶者があなたに対して「死ね」や「役立たず」など、罵倒するような発言をしているところを録音した音声データや動画
  • モラハラ中の目撃証言
  • こと細かに夫の行動をメモした日記 など

なお、すでに離婚を決意しているときは、心と命を優先して、調停を申し込む前に別居する必要があるかもしれません。モラハラを行うような配偶者の多くは「別居をすると離婚裁判で不利になる」と脅迫してくるかもしれません。さらに経済的な締め付けや行動の監視が厳しくなる可能性もあるでしょう。

しかし、本来、DVやモラハラから避難するための別居は、別居をする正当な理由として認められます。できるだけ決行の日に備えて、配偶者に気づかれないように貯金することをおすすめしますが、難しい状況の方もいるでしょう。万が一のときは、柏市のサイトなどに掲載されているDV相談や支援を利用することも考えておくとよいでしょう。

ただし、別居を始めてしまうとモラハラの証拠を集めることが難しくなります。別居をする前に、しっかりと証拠を集めておきましょう。

3、弁護士へ依頼するメリットと選ぶコツ

モラハラ配偶者と離婚するためには、モラハラ配偶者に対抗する頭脳が必要です。残念ながらモラハラ配偶者には頭の回転が良い方(もしくはそう見せることがうまい方)が多いものです。

長年のモラハラによって自意識が萎縮してしまい、「自分はひとりでは何もできない人間だ」と思い込む被害者も少なくないようです。たったひとりでは、太刀打ちできる状況ばかりではないでしょう。

そこで、モラハラ配偶者と確実に離婚したいときは、まずは弁護士へ依頼することをおすすめします。法的なアドバイスを受けられるだけでなく、交渉の際も弁護士が代わりに発言してくれるので不利な条件を押しつけられる心配もありません。

状況によっては、弁護士に依頼することで、あなた自身はモラハラをする配偶者と顔を合わせることなく、離婚まで進められることもあります。また、モラハラの事件を多く扱ってきた弁護士に相談すれば、離婚を成立させるために有効な証拠や、証拠集めのポイントを教えてもらうことができるでしょう。

  1. (1)弁護士事務所を選ぶコツ

    弁護士事務所は柏市内だけでもたくさんあるため、どこに依頼すべきか悩んでしまうかもしれません。もっとも間違いがない選択方法は、離婚事件の対応件数が多い事務所を選択することと、可能な限り無料相談へ足を運び、どのような態度で話を聞いてくれるか、直接あなた自身の目で確かめることでしょう。

    信頼できる弁護士は、相談者であるあなたの気持ちを理解しようと努めてくれるものです。あいまいな回答ではなく、できることとできないことなどを的確に返答するかどうかなど、表面上の情報だけで選ばないよう、気を付けてみてください。

    弁護士選びは医者選びに似て、ある程度相性があるかもしれません。実際に電話で問い合わせてみたときの雰囲気や会って相談したときの雰囲気なども含め、信頼できる弁護士かどうかを判断してみてはいかがでしょうか。

4、まとめ

モラハラ配偶者と離婚する手順や弁護士事務所の選び方を紹介しました。

モラハラ配偶者はプライドが高く、なかなか自分の間違いを認めないことが多いものです。モラハラをしている自覚がないうえ、被害者側が萎縮してしまっていることから、当事者同士の話し合いによって、適切に協議離婚できるケースはあまり多くはありません。離婚するとなると、婚姻生活中に築いた財産や年金の分割問題や、子どもがいれば養育費など、決めなければならないことが多々あります。離婚ができたとしても、これらをすべてあいまいにされてしまい、相手の思うままにされてしまう可能性すらあります。

モラハラ配偶者との離婚を望む人は、まずはひとりで抱え込まず、ベリーベスト法律事務所 柏オフィスへ相談してください。ベリーベスト法律事務所には、モラハラ問題への知見を持つ弁護士が多数所属しているため、状況に適したサポートが可能です。初回は無料相談も受け付けております。お気軽にご相談ください。

  • この記事は公開日時点の法律をもとに執筆しています